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制作者フォーラム

全国制作者フォーラム2017を開催しました

  • 日時:2017年2月18日(土)
  • 会場:ホテルルポール麹町2F「ルビー」(東京都千代田区)
  • 主催:放送文化基金

 2016年秋に開催した全国4地区での制作者フォーラムでのミニ番組コンテスト入賞者を招き、ベテラン制作者をゲストに迎え、ミニ番組の上映会、最近話題の番組「家、ついて行ってイイですか?」(テレビ東京)の上映とトークセッション、「テレビの極意~私の番組制作術~」と題したパネルディスカッションを行いました。全国から制作者や放送関係者、放送に関心のある学生のみなさんなど約90人が集まり、活発な意見交換が行われ、交流を深めました。

制作者フォーラム4地区のミニ番組優秀作品上映会

 2016年秋に開催した全国4地区での制作者フォーラムでのミニ番組コンテストに入賞した12作品を上映し、すべての作品についてゲストに講評をいただきました。また、4人のゲストがそれぞれ一番気に入った作品を選び、懇親会の場で、『特別賞』として発表されました。


丹羽賞
●北日本制作者フォーラム
『ボランティアのお母さん』
テレビ岩手 三浦 裕紀
『響け!復興の槌音~被災地5度目の夏~』
岩手めんこいテレビ 鈴木 耕介
『震災から5年 地蔵に込めた思い』
東北放送 手塚 崇

吉崎賞
●北信越制作者フォーラム
『ラジオパーソナリティがアポなし生中継 ずくだせlive』
信越放送 依田 倫博 ☆丹羽賞
『聴覚障害の先生に学ぶこと』
長野朝日放送 金子 律人
『DIVE!さよならの夏』
NHK金沢放送局 岡 大樹 ☆吉崎賞

高橋賞
●中四国制作者フォーラム
『「忘れられない銭湯」~いま、とっておきの場』
NHK岡山放送局 田波 悠至
『カープ道』
広島ホームテレビ 石井 正洋
『玉野光南ナインが学んだこと~幻の甲子園を乗り越えて~』
瀬戸内海放送 山田 晴香

阿武野賞
●九州放送映像祭&制作者フォーラム
『嗚呼!青春 宮崎応援団物語』
宮崎放送 坂元 伸一 ☆高橋賞
『世界一の九州が始まる!「地震に強い“棚”を図書館に!」』
熊本放送 安武 竜彦
『85年ぶり「馬」が甦る』
テレビ西日本 本村 博 ☆阿武野賞

番組を見る会・語る会

『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京)
  • ・制作者:高橋 弘樹
  • ・聞き手:丹羽 美之

 終電を逃した人に、「タクシー代をお支払いするので家について行っていいですか?」と声をかけてそのまま家に同行しインタビューするこの番組の2016年6月11日放送の回を上映。プロデューサーで演出担当の高橋さんに、番組を立ち上げたきっかけ、制作体制や演出方法などを惜しみなく語っていただきました。
 後半、会場からの質問コーナーで、「番組のリスク管理について」、「撮影時に酔っていた出演者に、後日放送についての交渉をするのか」、「ついて行った家でのロケ時間や取材の仕方」、「高橋さんの好きなテレビ番組」、「過密な日程の中でアイドルの素顔を撮る方法」、「生放送リポートで大切なこと」等々、番組制作者からのたくさんの問いに、高橋さんが一つ一つ丁寧に答えてくださいました。

パネルディスカッション

「テレビの極意~私の番組制作術~」
  • ●パネリスト
  •  阿武野勝彦、高橋弘樹、吉崎健
  • ●コーディネーター
  •  丹羽美之

 極意とは「学問や芸事で、核心となる大切な事柄」のこと。テレビの現場で活躍中の3人のゲストとともに、いい番組、面白い番組を作る「極意」についてじっくりと語り合いました。
 「1本1本苦しみながら取材や編集に取り組んでいるとドキュメンタリーの神様が降りてくる瞬間がある。熱い思いを持ちながらも自分を冷徹に見つめる目が大切。(阿武野さん)」
 「取材中の水俣の患者さんの言葉が例え聴き取りにくくても、一生懸命話してくれる表情や姿から伝わる事があるのでなるべくテロップは入れないようにしている。言葉や理屈をつなぐのではなく、目に見えない気持ちを聴くことが大事。(吉崎さん)」
 「若手にどんな勉強をすればいいかと聞かれたら、『地獄変』『戯作三昧』などの芥川龍之介を薦めている。企画やVTRを作るときには自分の下世話な欲求に忠実に向き合うようにしている(高橋さん)。」
 そして、丹羽さんは、「テレビは人と人、異なるもの同士をつなぐ力を持っている。世の中に分断や対立が広がり、寛容さが失われつつある今こそ、テレビ本来の力が求められる。そのために、まずは一人一人の制作者自身が孤立しないこと、地域や系列などの垣根を越えてお互いに励まし合えるような場をもつことが重要。このフォーラムがそういう場であってほしい。」とコメントしました。

ゲスト プロフィール

阿武野 勝彦 東海テレビ放送プロデューサー
1981年東海テレビ入社。アナウンサーを経てドキュメンタリー制作。主な番組に、「とうちゃんはエジソン」「裁判長のお弁当」(03、07・ギャラクシー大賞)「約束~日本一のダムが奪うもの~」(07・地方の時代映像祭グランプリ)「光と影~光市母子殺害事件 弁護団の300日~」(09・民放連賞最優秀賞)「人生フルーツ」(16・放送文化基金賞最優秀賞)など。個人賞として日本記者クラブ賞(10)、芸術選奨文部科学大臣賞(12)。「平成ジレンマ」(11・モントリオール国際映画祭招待)で劇場展開を始め、第10弾「人生フルーツ」を現在ロードショー。著書に「ヤクザと憲法」(岩波書店)などがある。


高橋 弘樹 テレビ東京制作局プロデューサー・ディレクター
2005年テレビ東京入社。「T Vチャンピオン」「空から日本を見てみよう」「世界ナゼそこに?日本人」等のディレクターとして、ソロモン諸島、パラグアイ、イラン、ドミニカ共和国、スワジランド王国など世界各地や、日本の秘境などを取材。その後「ジョージ・ポットマンの平成史」「吉木りさに怒られたい」「30秒後に絶対見られるT V」「家、ついて行ってイイですか?」などのプロデュサー・演出、ドラマ「文豪の食彩」「激辛ドM男子」で演出・脚本。著書に「TVディレクターの演出術」(ちくま新書)、「敗者の読書術」(主婦の友社)など。


吉崎 健 NHK熊本放送局チーフディレクター
1965年熊本生まれ。1989年NHK入局。熊本放送局、番組制作局・社会情報番組部、長崎放送局、福岡放送局などを経て、現職。主な番組に、「写真の中の水俣」(地方の時代映像祭優秀賞)、「長崎の鐘は鳴り続ける」(文化庁芸術祭優秀賞)、「花を奉る 石牟礼道子の世界」(早稲田ジャーナリズム大賞)、「原田正純 水俣 未来への遺産」(放送文化基金賞テレビドキュメンタリー番組賞)など。


丹羽 美之 東京大学准教授
1974年生まれ。専門はメディア研究、ジャーナリズム研究。主にテレビ文化やテレビ・ジャーナリズムについて研究している。著書に「テレビ・ドキュメンタリーを創った人々」(共著、NHK出版、近刊)、「記録映画アーカイブ2 戦後復興から高度成長へ」(共編、東京大学出版会、2014年)、「メディアが震えた テレビ・ラジオと東日本大震災」(共編、東京大学出版会、2013年)などがある。