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助成

研究報告会2017を開催しました

放送文化基金は、これまでに助成したプロジェクトの成果を発表する場として、
助成金贈呈式とあわせて研究報告会を開催しています。

 放送文化基金の平成28年度の助成対象が決まり2017(平成29)年3月3日、東京・平河町のホテルルポール麹町で助成金贈呈式が開催されました。贈呈式は、第1部研究報告会、第2部助成金目録贈呈、そして懇親会の3部構成で行なわれました。
 第1 部の研究報告会2017は、技術開発部門より、千葉大学工学部教授 黒岩眞吾さんから『情報通信技術を利用した失語症者向け言語訓練及びコミュニケーション支援技術』について、人文社会・文化部門より、時代考証学会会長 大石学さん(東京学芸大学 教授、副学長)から『時代考証学の可能性』についての報告がありました。報告会には約60名が参加し、質疑応答の時間にも活発な意見交換が行われました。

プログラム

15:00~15:05 開会挨拶 放送文化基金 理事長 末松 安晴
15:05~15:35
報告① 技術開発部門(平成25年度助成)
『情報通信技術を利用した失語症者向け言語訓練及びコミュニケーション支援技術』
千葉大学 工学部 教授 黒岩 眞吾 氏

失語症とは,脳血管障害等で言語野が損傷されることにより,一旦獲得した言語機能に障害を受けた状態のことをいう。言語の理解や生成に困難さを伴うため認知症と誤認されやすいが,言語を用いない思考に関する機能は維持されており,認知症とは根本的に異なる。従来,失語症においては慢性期に入ると言語機能の回復は期待できないと言われてきたが,タブレットやロボットを用いた継続的かつ高頻度の言語訓練により回復の可能性が見え始めてきた。本報告では失語症者向け要約字幕作成技術,言語聴覚士の代わりに呼称訓練を行うロボット,日常生活の中で語の思い出しを支援しつつ言語訓練を行うタブレットアプリの研究開発と,病院や自宅での実証実験の様子を紹介する。
15:35~15:45 質 疑 応 答
15:45~15:55 ◆◆◆  休 憩  ◆◆◆
15:55~16:15
報告② 人文社会・文化部門(平成22~25年度助成)
『時代考証学の可能性』
時代考証学会会長 大石 学 氏(東京学芸大学 教授、副学長)

近年、「江戸イメージ」に変化がみられる。江戸時代の差別・抑圧の側面に注目し、明治維新後の文明化・西洋化時代との断絶を強調するイメージから、「徳川の平和」といわれる社会の安定の側面に注目し、明治維新後の国家・社会との連続面を強調するイメージへの変化である。これは、勧善懲悪の価値観のもと、主人公のヒーローが悪人を大勢斬る「チャンバラ」時代劇の終焉と、庶民生活に焦点をあて、個人の苦悩や葛藤、個人と集団・社会・国家との関係=「リアル江戸」を丁寧に描く新たな時代劇への転換と連動する。この転換を基礎から支えるのが、史料や最新の研究成果にもとづく新たな時代考証である。時代考証学とは、被服史、食物史、建築史、生活史、風俗史、遊戯史、医学史、音楽史、技術史、科学史、地域史など、諸学問の研究を総合しておこなう時代考証の方法を、科学的に確立することを目指す新しい学問である。私が時代考証学を提起し、2009年に時代考証学会を設立してから見えてきた課題や、今後の可能性について報告する
16:15~16:25 質 疑 応 答
16:25~16:45 ◆◆◆ コーヒーブレイク ◆◆◆
17:00~ 助成金贈呈式(関係者のみ)

※本研究報告会は、平成28年度助成金贈呈式の第1部として開催し、第2部贈呈式は関係者のみで行います。