HBF 公益財団法人 放送文化基金

文字サイズ:

HOME放送文化基金賞受賞のことば 第43回【番組部門】ラジオ番組

放送文化基金賞

受賞のことば 第43回【番組部門】ラジオ番組

★最優秀賞

メロディーの向こうに
〜童謡・唱歌の世界〜

(山口放送)

大谷陽子さん、佐々木聰さん

 明治・大正・昭和の作詩家・作曲家が、こどもの心を育むために必要なものは何かを追求して作られた童謡・唱歌。それは、時代を生きた大人が人生を表現し、感性をぶつけた質の高い芸術であることを知りました。言葉とメロディーが持つ力故に、メロディーに乗せて何を伝えるのか、大人の姿勢こそが重要だということも同時に感じました。しかし、そんな童謡・唱歌が音楽の教科書から少しずつ姿を消し、家庭で歌われる機会も減ってきたことは少し寂しく思います。あらためてその大切さに目を向け、貴重な日本の文化として永く歌い継がれてほしいと願います。
山口放送 大谷陽子

★優秀賞

震災ラジオ特集
3.11若者たちは、いま

(NHK仙台放送局)

新井隆太さん、小寺康雄さん

 あの大地震、津波、原発事故から6年とは、どういう時間か。あの日生まれた赤ちゃんは小学生になり、小学生は中高生になり、中高生は社会人になりました。ため込んでいた胸の内を、今なら話してくれるかもしれない。この思いから取材を始めました。親友を亡くした人、家を流された人、風評被害に苦しむ人、今も続く厳しい現実と深い悩みの中、懸命に生きてきた子どもたちの言葉に、私は息をのみました。番組では、子どもたちの等身大の言葉を大事にするため、生放送でたっぷり語ってもらいました。勇気を振り絞り行動を起こした若者たちの思いを未来の減災につなげたい。スタッフ全員の願いです。
NHK仙台放送局 新井隆太

●奨励賞

SBCラジオスペシャル
受話器の向こうから〜026-237-0555

(信越放送)

笠原公彦さん、西沢透さん

 ネットやスマホ、テレビや活字にはない「ラジオの強み」ってなんだろう?日々、考えてきたことの1つの答えが、今回の番組で示せたような気がします。多くのラジオ番組はリスナーの参加なくして成り立ちません。
 今回、番組ではラジオの最前線ともいえる電話オペレーションセンターの会話に初めて耳を傾けました。そこでは、メールやSNSでは表現しきれないリスナーの人間臭い喜怒哀楽を電話オペレーターが上手に受け止めていました。いまや全国のラジオ局102社のうち、電話でメッセージを受け付けているのは、わずかAM12社です。しかし1対1の電話にこそラジオが大事にするべきメディアの本質があると強く思いました。
信越放送 笠原公彦