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放送文化基金賞

受賞のことば 第44回【個人・グループ部門】放送文化

●夏井いつき(俳人、エッセイスト)

『プレバト!!』にレギュラー出演し、全国的な俳句ブームを牽引

 「俳句の種蒔き」を合い言葉に30年近く活動してきました。百蒔いて一つ芽が出れば嬉しい!その芽が百に一つ育っただけで最高!という根気との闘いを続けてきました。
 『プレバト!!』俳句コーナーが始まってもうすぐ5年。この番組は、倍速や4倍速の追い風となって「俳句の種蒔き」を推し進めてくれました。番組スタッフにはどんな言葉を重ねても感謝し尽くせません。
 今回の受賞は余りにも思いがけないことでしたが、彼らの代表として頂くのだと勝手に受け止め、心から御礼申し上げます。

●「佐藤敏郎のOnagawa Now! 大人のたまり場」制作スタッフ (オナガワエフエム)

臨時災害放送局閉局後も「被災地の今」を被災者自らの手で全国に継続して発信


佐藤敏郎さん  阿部真知子さん

 地元の人たちと東京からのボランティアチームが一緒になって作ってきた番組です。臨時災害放送局として5年、今の形になって2年、あっという間の7年でした。「町の人の声が聞こえる、今が聞こえる」をモットーとし、お茶っこ話をするように、この町に生きる様々な人たちの声を流し続けてきました。それがネットを通じて、全国に広がり、多くの方が応援してくれるようになりました。今ではラジオをきっかけに、たくさんの人が女川にやってきます。一見、復興が進んでいるように見える被災地ですが、なお多くの課題があります。これからも楽しくホンネを伝えていきたいです。
プロデューサー・放送作家 大嶋智博

●発達障害プロジェクト(NHK)

発達障害の理解促進に貢献


齋藤真貴さん  海老沢真さん

 発達障害は、周りの人からは分かりにくいため、怠けているのではと誤解されやすく、悩んでいる人が多いのが現状です。周囲の人の理解が進むことで、その生きづらさが少しでも軽減できればという思いで、このプロジェクトを始めました。
 発達障害を理解することは「人間の見方」や「社会のあり方」を考えることにつながります。この1年、各番組担当者と連携し、さまざまな角度から番組を放送してきましたが、伝えるべきことはまだまだあります。今後も真摯に向き合っていきたいと思います。
NHK 齋藤真貴

● NHKロボコン(NHK)

30年にわたる日本およびアジア太平洋地区へのロボコンの普及


村上洋介さん  玉置浩一さん

 ロボコンが30年も続いた理由は「ゼロからモノを作り出す」際に宿る学生達の目の輝きに他なりません。ロボコンのはじまりは1988年。「金儲けは上手だが創造性がない」と日本が欧米に揶揄された当時、疑問を抱いた学識者とNHKがタッグを組み、第1回大会を開催。乾電池2本だけで60kg以上の人を運ぶというルールで全国の高専が参加、アイデアが次々に披露されました。ロボコンはいまやオンリーワンの発想と技術をテレビやネットを通じて楽しむ場として世界大会が開かれるまで成長しました!
 今後も若者たちの独創性を見守っていきたく存じます。
NHK 村上洋介