HBF 公益財団法人 放送文化基金

文字サイズ:

HOME放送文化基金賞受賞のことば 第44回【番組部門】テレビドラマ番組部門

放送文化基金賞

受賞のことば 第44回【番組部門】テレビドラマ番組部門

受賞一覧へ戻る

★最優秀賞

金曜ドラマ
アンナチュラル

(ドリマックス・テレビジョン、TBSテレビ)

 女性主人公の法医学エンターテインメントを作ろうと、野木さんにお会いしたのは1年半前のことでした。二転三転するスピード感のある展開、個性豊かなキャラクターの軽快な会話劇、そして見終えたあとに温かな気持ちが残る作品にしたいと取り組みました。
 素晴らしい脚本を書かれた野木さん、それを素敵な映像にしてくれたスタッフの皆さん、愛されるキャラクターを育ててくれたキャストの皆さん、作品に携わってくれたすべての優秀なクリエーターさんたちのおかげで、唯一無二のアンナチュラルワールドを作ることができ、この素晴らしい賞を頂くことができたのだと思います。
 そして、この作品を愛し応援してくれた視聴者の皆さんにも、心から感謝申し上げます。
 本当にありがとうございました。
ドリマックス・テレビジョン 新井順子

塚原あゆ子さん 新井順子さん
野木亜紀子さん

★優秀賞

特集ドラマ
(くらら)~北斎の娘~」

(NHK、NHKエンタープライズ)

 お栄・葛飾応為が「吉原格子先之図」に封じ込めた光と影は今も色褪せません。北斎が描いた波濤は、世界に衝撃を与え続けています。
 鎖国下の日本で生まれた芸術が、時代も国境も越えて愛される。時代劇でありながら、テーマ自体が「時間」を超越していることに『(くらら)』を作る面白さと難しさがあるように思います。
 そのテーマに真っ先に、まっすぐに向かったのが宮﨑あおいさんでした。初日、宮﨑あおいさんが絵の稽古に一心に打ち込む姿に、創造することへの本能的な喜びを見た気がしました。『(くらら)』の扉はそうして開かれたのです。
 北斎父娘を見上げるように作ったドラマが、高くご評価いただけたことにほっとしております。ありがとうございました。
NHKエンタープライズ 加藤 拓

佐野元彦さん 加藤拓さん
(左)宮﨑あおいさん

●奨励賞

特集ドラマ
どこにもない国

(NHK)

中村高志さん 木村隆文さん

 かつて「満州国」という国が存在していたことを多くの日本人は忘れ去っています。足かけ14年の歴史しかもたない日本の傀儡国家でしたが、150万を超える日本の民間人が生活しており、「現地での定着を図る」という政府方針によって、終戦直後は事実上、放置されました。多くの邦人、中でも子どもや女性といった弱者が次々と命を落としていく絶望的な状況にあって、何の権限もない無名の民間人が見知らぬ同胞を救うために命をかけて戦ったという、歴史に埋もれてきた実話をこのドラマでは描いています。放送後は多くの引き揚げ体験者から、励ましと共感の言葉を頂戴しており、今回の受賞を当時を懸命に生きた多くの無名の方々に捧げたいと思います。
NHK 中村高志

●奨励賞

新春ドラマスペシャル
娘の結婚

(テレビ東京)

 偶然手にした1冊の本から産まれた企画です。読み進めながら、父・息子の立場に自らを重ね、妻の『結婚』への覚悟に改めて気付かされ不意に涙が・・・。それぞれの家庭に問題や事情はあります。そうしたことを昔はホームドラマから学んできたのに、なぜ今はないのか?テレ東が作る意義があると思いました。実はクランクイン直前に大変な出来事がありましたが、執念と運で乗り切れました。助けてくれたスタッフの方々には頭が上がりません。「素敵な作品に携わらせてくれてありがとうございました」と逆に感謝の言葉を貰い・・・本当に諦めないで良かった。頂いた奨励賞を励みに、テレ東ホームドラマの第2弾、第3弾を制作し、次は最優秀賞を目指します!
テレビ東京 阿部真士

阿部真士さん 中川順平さん
中井貴一さん
満島真之介さん