受賞のことば 第44回【個人・グループ部門】放送技術
●天本光一(フジテレビジョン)
クラウドプレイアウトシステムの開発
近年、動画配信によりコンテンツをより身近に感じることができるようになりました。本開発は配信に必要な設備を、放送で培った技術を集結させることで、人員やランニングコストを抑えつつ、高いクオリティーを維持し、ユーザーと配信との距離を縮めるべく努めました。
とても名誉ある賞をいただけたことを誇らしく思うと共に、受賞に慢心することなく、世の中に普及させていくことが受賞者の役目だと思っております。本技術を通じて人々の暮らしに彩りを加えられるよう、努めてまいります。
●画像認識AI検討チーム
日本テレビ放送網、東芝、東芝デジタルソリューションズ
ロードレース中継における画像認識技術を用いた制作支援
~AIを用いたReal-time Indexing~
この度は大変名誉ある賞をいただき、ありがとうございます。長時間作業が多い制作現場では、単純作業でも、疲労、ミス、人手不足といった問題が避けられませんでした。
これらの課題に対して、AIによる、一部のCGオペレーション等の無人・高精度化のシステムづくりに着手し、スポーツ以外の様々な番組での活用も検討しています。効率的かつ本質的な番組制作に集中できる環境づくりを目指し、より魅力的なコンテンツが視聴者に届けられるよう取り組んでいきたいと思います。
日本テレビ放送網 篠田貴之
●8K小型カメラ開発・実用化グループ
NHK、日立国際電気、池上通信機、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ
8K小型カメラの開発と実用化
このたび受賞の栄に浴し、大変嬉しく思います。
この8K小型カメラは、16年前の初期型に比べ、1/10に軽量化しました。さらに高画質、低消費電力、優れた運用性を兼ね備え、格段に広い色域や、昨今注目されるHDRへの対応など、劇的な進化を遂げました。これはNHKとメーカー各社の新技術に対する熱意と努力の結晶です。
今後HDサイズとなったこのカメラで、優れた番組を制作し、8K本放送に臨みます。また各社とも切磋琢磨し、引き続き放送文化の発展に寄与していく所存です。ありがとうございました。
NHK 崎山 剛