HBF 公益財団法人 放送文化基金

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HOME放送文化基金賞受賞のことば 第50回 放送文化部門

放送文化基金賞

受賞のことば 第50回 放送文化部門

大森洋平(おおもり ようへい)

NHK

ドラマにおける時代考証での功績

 ドラマの時代考証とは、意外にも「史実を厳密に再現すること」ではありません。登場人物がその中で自由自在に行動できる「時代の枠をきちんと作ること」なのです。
 そこからはみ出て、現代の価値観で過去を裁定・断罪し、一時のカタルシスがあればそれで良しとするのではなく、「各時代の制約の中で、人々は何を望み、考え、生き抜いたか」を描くことでのみ、本当の感動は得られます。時代考証はその基本ツールです。今回の受賞でそれを確信できました。一層奮励努力致します。

岡山放送 情報アクセシビリティ推進部

30年にわたる手話を通した「情報バリアフリー」を目指す取組み

左から中静敬一郎さん、篠田吉央さん

 受賞を機に、活動の輪が広がることを切に願います。なぜなら30年かけ構築した“岡山モデル”と呼ばれる手法は、番組制作者の精神的負担や経済的負担を取り除き、必ずや手話放送を持続可能にできると信じているからです。今活動は、手話によるスポーツ実況にまで広がっていますが、情報が届きにくい1人1人への尽力が、メディアの情報伝達のスキルとマインドを高め、結果的に“マス”なコミュニケーションへとつながります。情報から誰一人取り残されないために—できることは、まだあるはずです。
岡山放送 篠田吉央

『アイヌ語ラジオ講座』制作チーム

STVラジオ

ラジオ講座によるアイヌ語の理解と継承

左から渋谷もなみさん、髙野政敏さん

 日常会話のアイヌ語を広く伝えていく事を目的として取り組んできた当番組に、高い評価を頂戴したことに感謝いたします。
 アイヌ語をはじめとするアイヌ文化の継承は、未来の北海道、そして日本の文化をより豊かに発展させるものとして、今後も取り組んでまいります。
 この度は、ありがとうございました。
STVラジオ 大針三治

『笑味ちゃん天気予報』制作スタッフ

RSK山陽放送

10年にわたり番組を通じて地域の農業・農家を盛り上げてきた実績

左から髙畑誠さん、喜多泰功さん

 放送開始から10年、放送回数は2,500回以上、毎日10分間の農業と天気に特化した番組の放送が続いています。取材した生産者は数知れず、そこには一人ひとりのストーリーがあり、農業への思いがありました。日本の農業はとかく暗い側面ばかりが報道されますが、「あんたら、普通に農業をしている人をもっと応援してくれ」そんな声を聞きながら、『笑味ちゃん天気予報』はきょうも放送しています。この度は栄えある賞をいただきありがとうございました。
RSK山陽放送 髙畑 誠