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各地で行われた制作者フォーラムの模様を、参加者の声を交えて伝えます。

2015年12月11日

もっと  制作者フォーラムinふくおか 2015

レポート+寄稿

佐々木審査員とテレビ西日本の濱田氏

 2015年11月28日(土)、NHK福岡放送局よかビジョンホールにて、九州放送映像祭実行委員会と放送文化基金が主催する「九州放送映像祭&制作者フォーラム」が開催されました。
 このフォーラムには、九州・沖縄の全民放とNHK、計35局が協力、制作者を中心に約90名が参加しました。
 初めに行われたミニ番組コンテストには、31作品が参加。審査員の、吉岡忍さん(ノンフィクション作家)、佐々木健一さん(NHKエデュケーショナル 特集文化部 特集事務局 主任プロデューサー)、トコさん(コラムニスト)、中崎清栄さん(テレビ金沢 報道制作局 報道制作部)が、上映された作品について意見を述べ、時には、制作者に具体的にアドバイスをしながら行われました。
 引き続き、「世界の果てまでイッテQ!」制作の舞台裏というテーマで、日本テレビチーフ・ディレクター 古立善之さんのトークセッションが行われました。古立さんは、「テレビ放送が始まって60年。これまで全く取り上げられていない題材は少なくなり、予算と時間に制約がある中で全く新しい企画を見つけ出すのはなかなか難しい。これからのエンターテインメント番組は、新しい出演者をいかに発掘して育てていけるかが成功のカギになると思う。」と語りました。また、番組を制作するうえで座右の銘にしている、出演者や先輩制作者などの「名言」を紹介してくれました。
 この後、表彰式と懇親会が行われ、受賞の喜びを分かち合ったり、意見交換をしながら制作者同士の懇親を深めました。

 ミニ番組コンテストでグランプリを受賞した姫野詠美さん(KBC九州朝日放送)、審査員のトコさん(コラムニスト)、実行委員の福島広明さん(NHK福岡放送局)にフォーラムの感想をお寄せいただきました。

グランプリ受賞
「親の心子知らず!?弁当から見える母の愛」
姫野 詠美(九州朝日放送 テレビ制作部)

 いじめや自殺など中学生を巡るトラブルは毎日のように起きています。多感な10代の子供と母親はどう向き合っているのか、そんな疑問が企画のきっかけでした。
 主人公のお母さんはシングルマザー。スマホ大好きな中学2年生の娘は反抗期真っ盛りです。素直じゃない娘に思いを伝えるにはこれしかない!母が決意した作戦が「弁当レター」でした。取材を始めた当初はなかなか心を開いてくれなかった2人でしたが、連日連夜自宅へ通い、母娘の普段の姿が見え始めてきました。福岡市で暮らす母娘の何気ない日常を追いました。
 引き続き、取材は続きます。賞を励みに、心動く瞬間を切り取り伝えていけるよう精進します。最後になりますが、取材に協力してくださった皆様、心より感謝申し上げます。

ミニ番組コンテスト審査員
「テレビってやっぱり面白い!!」
トコ (コラムニスト)

もっとみんなに参加して、見てほしいなぁ、とつくづく感じるのが、九州放送映像祭ミニ番組コンテストだ。
九州の民放とNHKが一か所に集う、というだけでもなかなかないことなのに、それぞれの局が作った、5分以内のVTRを上映するという催し。
今年は、31作品が参加です。
報道系あり、バラエティ系あり、密着ものあり、生番組あり。
朝から夕方まで見続けるのですが、おもしろくて、あっという間です。
他地域や他局のVTRなど、刺激になるわ。

トコは、地元のテレビ好きという立場で5年ほど審査員を務めております。
今年の審査員長は、昨年に続き吉岡忍さん。
審査員にテレビ金沢の中崎清栄さんと
NHKエデュケーショナルの佐々木健一さん。
みなさんが口々に「すごいですね。九州のテレビ制作者ってレベルが高いですねぇ」
と驚かれていましたよ。
九州のトコは(VTRなど作ったことありませんが)自分がホメられているようで、鼻高々でした。
みなさん、これからも楽しいテレビ放送、がんばりましょうね!!

実行委員
「九州沖縄 伝統のネットワークの力」
福島 広明 (NHK福岡放送局 放送部 番組制作 専任部長)

 系列やエリアを越えて九州沖縄の全民放とNHK、合計35放送局が一堂に会する「九州放送映像祭・制作者フォーラム」は今年が40回目でした。最近のミニ番組コンテストでは、固いドキュメンタリーに偏らず、バラエティ的な演出や圧倒的な映像で魅せる作品など、とにかくテレビとして「力」があるものが選ばれています。初めて見る演出に「やられたなぁ」と悔しがったり、今度まねしてみようと思ったり。みんな刺激をもらって帰るようです。こうした伝統とネットワークが九州沖縄の強みです。舞台裏でも毎回、幹事を福岡の民放5社とNHKが3社ずつ交代で担当していて、普段はライバルとして競い合いつつも互いに気心が分かっているので、いざという時も心強く思えます。今後も伝統を守って、九州沖縄から名作が次々と生まれるように頑張りたいと思います。