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各地で行われた制作者フォーラムの模様を、参加者の声を交えて伝えます。

2017年12月11日

もっと  制作者フォーラムinなごや

レポート+寄稿

 2017年11月17日(金)、中京テレビ本社1F プラザCにて、愛知・岐阜・三重制作者フォーラム実行委員会と放送文化基金が主催する「愛知・岐阜・三重制作者フォーラムinなごや」が開催されました。この地域での制作者フォーラムの開催は初めてです。
 フォーラムには、愛知・岐阜・三重3県にある全民放テレビ局とNHK、計10の放送局が協力し、制作者を中心に約140名が参加しました。
 初めに行われたミニ番組コンテストには、10作品が参加。審査員の高橋弘樹さん(テレビ東京 制作局 プロデューサー・演出)、日笠昭彦さん(LLC創造ノ森 代表/プロデューサー、日本テレビ 元「NNNドキュメント」プロデューサー)、 脇田 泰子さん(椙山女学園大学 文化情報学部メディア情報学科 教授)が、上映された10作品についてそれぞれ講評を述べました。
 引き続き、事前に参加者から募った悩み・疑問などをゲスト3人がこれまでの経験を踏まえて答えるかたちでトークセッションが行われました。
 <ドキュメンタリーや企画のネタの探し方。日々の生活のアンテナの張り方>では、「地域だけでなく全国に張っておくのも大切」「ひとつのネタ(事件)の延長線上からつくっていく」「他の番組や昔の番組を見ることも大事」などのアドバイスがありました。また、<インタビューの極意。対象者の探し方や関係値作りについて>では、「相手に目的をはっきりと熱意をもって説明すること」「Q&Aではなく、会話風に相手の言っていることを受け止めて返していくこと」「相手によっては自分の立ち位置をかえてインタビューをしてもいい」などの意見がありました。他にも「その後の番組制作につながった若い頃の失敗談」「予算の少ない中で面白い番組を作る工夫やアイデア」「見る側、作る側の高齢化に対する、若手スタッフの向き合い方」などについても大いに語っていただきました。会場の制作者たちは真剣な眼差しで先輩方の話に耳を傾けていました。

 ミニ番組コンテストで優秀賞を受賞した中のお一人、守屋泰斗さん(中京テレビ放送)、審査員の脇田泰子さん(椙山女学園大学教授)、実行委員の石原正通さん(東海テレビ放送)に、フォーラムの感想をお寄せいただきました。

優秀賞受賞
大きな徳する地元情報に笑いを添えて。
守屋 泰斗(中京テレビ放送 制作局制作部「前略、大徳さん」総合演出)

 イケメンゴリラのシャバーニ、おじさんのような鳴き声のケイジくん。 全国ネット番組でも取り上げられるほど、次々にスターアニマルが登場する名古屋の「東山動植物園」。
 実は、他にも面白い動物はまだまだいるんですよね。知ってました?
 そんな情報をお届けさせてもらった「前略、大徳さん」は、
 ビビる大木さん&チュートリアル徳井義実さんがMCを務める、情報バラエティ番組。
 そう、大木さんと徳井さんだから「“大”“徳”さん」なんですね。
 “地域の面白い情報”を“面白い芸人さん”と一緒に“面白くお届けする”。
 そんな番組作りをできたら素敵だなと思います。
 「興味深い」と「笑い」。
 2つの面白さを武器にして、いい番組を作りたい。
 今回、賞を頂けたことで、すこしだけ自信をもらえました。
 これを機に少しでも多くの方に番組をご覧いただけたら嬉しいです。

ミニ番組婚テンスト審査員
放送局は番組が命
脇田 泰子(椙山女学園大学 文化情報学部 教授)

 活きのいい、地魚たっぷりの刺身、こんな番組満載の船盛を心ゆくまで堪能した。若手職人の包丁さばきが随所に光る作品の一つ一つが「これはどうだ?」「では、こちらは?」と審査員に切れ味鋭く迫ってくる。小気味いい問いかけは、新星たちの情熱・心意気の表れと手に取るようにわかる。味わいつつも、これに圧倒されてしまわぬよう、こちらも画面に必死に食らい付いていた。制作者と仲間たちとの、番組作りに賭けるこだわりと執念がぶつかり合う。放送局は番組が命、テレビはまだまだ元気いっぱい、と改めて確信する。
 NHKと民放の枠、番組ジャンルやその制作環境の違いを超え、共通のふるさと・東海地方の多彩な表情を描き出し、互いの向上心やモチベーションを高め合う贅沢な楽しみ。これを知らなかった昔には、もう戻れまい。

実行委員
初開催に寄せて
石原 正通(東海テレビ放送 編成局編成部 副部長)

 今回のフォーラムの運営を担当致しました。
 17年、年明けから動き始めて約11か月、この地区初の制作者フォーラムが無事開催されたことに、まずはホッとしています。ご協力頂いた審査員、参加局、当日参加頂いた来場者の皆様に御礼申し上げます。当日は約140名の方に参加頂き、フォーラム・懇親会共に賑やかに進みました。審査員の高橋様・日笠様・脇田様からも積極的に発言頂け、そのヒントの数々が参加者の番組作りに後々繋がることと思います。
 この地区では例年、民放連・連盟賞の地区審査会が活発に行われており、民放間ではしのぎを削り、また交流を深めておりますが、NHKの皆様と作品を通して意見交換をする機会はほとんどありませんでした。今回のフォーラムを機に、全放送局一丸となって地域全体を盛り上げ、また若手制作者の懇親を深める気運が高まれば幸いです。

東京ニュース通信社の記者さんがフォーラムを取材し、記事を書いてくださいました。
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