HBF 公益財団法人 放送文化基金

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事務局のスタッフの助成プログラムレポート、関連イベントへの参加レポートなどを掲載します。

2024年5月27日

放送文化基金設立50周年記念事業として特別協力
「みんなで備えよう やまなし防災減災フェス2024」
へ行ってきました!

レポート

山梨県のテレビ・ラジオ局・新聞社が協力して開催

 2024年5月11日(土)、「みんなで備えよう やまなし防災減災フェス 2024」が開催されました。山梨県内のメディア6社(NHK甲府放送局、UTYテレビ山梨、YBS山梨放送、山梨日日新聞社、日本ネットワークサービス、エフエム富士)が連携した防災・減災について考えるイベントで、去年に引き続き今年で2回目の開催です。今回のイベントは、地域の防災啓発活動の一環として、2020年9月にメディア6社と山梨大学などの学識経験者で構成された「やまなし防災減災ネットワーク」の10回の勉強会の知見を活かし、県民に防災意識を高めてもらい、災害を我が事として対策を考えてもらうために、開催されました。

5000人が来場、家族で楽しめるイベントに

 会場は多くの人が行きかうJR甲府駅北口のよっちゃばれ広場と山日YBSホールを中心に開かれました。広場には37の企業や団体が出展し、土石流や富士山噴火といった災害の仕組みを学ぶブースなどが設置され、多くの家族連れが楽しみながら防災を学びました。
 メインステージでは、メディア6局のアナウンサーらによる共同宣言で開幕し、エフエム富士、NHK甲府放送局、YBS山梨放送の県内メディアが共同で制作するラジオ防災特番の公開生放送や気象予報士による防災クイズなどがありました。
 今年は事前のキャンペーンとして、協賛企業にスポット支援を行ったり、テレビ局3社がテーマに沿って各局をクロス放送したり、また気象予報士が他局の番組にコラボ出演するなど様々な形で各メディアが相互乗り入れをして、「やまなし防災減災フェス2024」を積極的に告知しました。結果、来場者数は昨年の倍の約5000人にのぼりました。

トークイベントで山梨県民の災害に対する危機意識を高めたい

 また、山日YBSホールでは、トークイベント「能登半島地震から学べ!」が開かれ、放送文化基金は、設立50周年記念事業の一環として特別協力し、このトークイベントを支援しました。
 トークイベントには、事前に999人の申し込みがあり、抽選で約120名が参加しました。日本大学危機管理学部の秦康範教授が解説役を務め、アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の佐々木彩夏さんや俳優・タレントの照英さん、山梨日日新聞社の山本久美子論説委員が災害対策について意見を交わしました。
 まず、イベントを進行したNHKの三橋大樹アナウンサーは「防災というテーマでこのようにメディアが協力することは非常に珍しいこと」と述べ、この取り組みの重要性を強調しました。そして秦教授は、「山梨県は大きな災害が起こらないと思っている県民が多く、災害に対する危機意識が低い」と指摘し、かつて県内でも震度7の地震が起き、大きな被害が出たこともあると警鐘を鳴らしました。

具体的な三つのテーマで防災を学ぶ

 イベントは課題1「孤立したらどうする?」、課題2「備蓄はどれくらい必要?」、課題3「住宅の耐震性をどう高める?」という3つのテーマを設定。出演者と参加者によるアンケートやクイズが行われ、参加者とやり取りをしながら、会場全体が一体となって防災について学びました。
 課題1では、秦教授が「1月の能登半島地震の被害は他人ごとではない。災害が発生すれば、山梨県全体も孤立し、その中でさらに山間部の集落が孤立するという二重構造の特徴がある。」と説明し、参加者は実際の地震の被害想定の映像を見ながら、孤立が想定される区域と自宅や職場の位置を確認しました。
 課題2では、佐々木彩香さんや照英さんがペットボトルを使った簡易シャワーや、タオルとボウルを使った簡易ヘルメットを作る実演を行い、誰でもすぐに実践できる防災の豆知識が紹介されました。
 課題3の住宅の耐震性については、秦教授が「山梨県は未耐震化住宅が4万戸以上ある。高齢者は耐震化について消極的だが、自分だけでなく子供や孫を守るためにも考えてほしい」と呼びかけました。さらに、能登半島地震で浮かび上がった耐震化の課題についての各局が分担して制作したリポートを視聴し、建物の倒壊を防ぐ簡易な方法や公的な助成の最新情報をクイズ形式で学びました。

地域メディアが連携しフェスの成果を発信

 年代問わず、地域住民が楽しく参加し、防災の重要性を再認識する一日となりました。山梨県内のメディア6社が連携し、県民の生命・財産を守るために力を合わせていくというメッセージを届けた「やまなし防災減災フェス 2024」。この成果を各局が発信することで、さらなる地域メディアの連携が進んでいます。

※放送文化基金ではこうしたメディア連携した取り組みやイベントを積極的に支援するため、助成事業にイベント事業部門を設立しました。次回の申請の受付は10月1日です。ぜひご応募ください!
詳細はこちら→https://www.hbf.or.jp/grants/article/guideline_event


(事務局 馬越直子)