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“特定共同研究”報告会「日本における『放送の多様性』の諸相と問題」

 平成19年7月27日、東京渋谷の長井記念ホールで、助成“特定共同研究”報告会「日本における『放送の多様性』の諸相と問題」を開催しました。放送関係者、研究者など約120人が参加し、第1部で報告者が研究成果を発表し、第2部では総括討論が行われ、幅広い議論が展開されました。

助成“特定共同研究”とは?

助成“特定共同研究”報告会『日本における「放送の多様性」の諸相と問題』の記録が冊子になりました。(2007.12.20)入手ご希望の方、詳細はこちら⇒
<第1部 報告>
(肩書は当時)
音 好宏 上智大学教授
(1)なぜ、いま「放送の多様性」の論議なのか
 これまで「放送の多様性」の何が論議され、何が論議されなかったのか。その論議が歴史的にどのような展開をたどってきたのかを振り返ることで、「放送の多様性」が論議される今日的意味を考える。
黒田 勇 関西大学教授
(2)オルターナティブ・メディアの源泉としての「放送の多様性」 
 地上テレビ放送の地域番組や有線放送、CS放送、「ワンセグ」といった放送現場にフォーカスし、それらで「放送の多様性」とどのように向き合っているのかを、メディアの現場関係者と放送研究者とが協力して検証することで、「放送の多様性」をオルターナティブ・メディアの視点から考え直す。
音 好宏
(3)新たなる「放送の多様性」論議に向けて〜日本型多様性指標の試み〜
 急速な多メディア・多チャンネル化などを背景に、規制緩和策が積極的に推し進められているが、緩和政策の根拠として「放送の多様性」を数量化する試みが米国などで見られるようになった。そのような状況を批判的に検証しつつ、研究会が行ったパイロット調査をもとに、「放送の多様性」を検証するための指標作りの可能性について検討する。
<第2部 総括討論 >
コーディネーター:常磐大学名誉教授 後藤 和彦 

◆研究報告者 プロフィール
(肩書は当時)
黒田 勇(くろだ いさむ)
関西大学社会学部 教授
1951年生まれ。京都大学教育学部卒;京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。大阪経済大学助教授を経て、教授。99年より関西大学教授。著書に「ラジオ体操の誕生」、編著に「送り手のメディアリテラシー」「オフメディア・オンメディア」「ワールドカップのメディア学」など。

音 好宏(おと よしひろ) 
上智大学文学部 教授
1961年生まれ。90年上智大学大学院文学研究科博士後期課程修了。日本民間放送連盟研究所勤務。94年上智大学文学部新聞学科専任講師、99年同大学助教授、2007年同大学教授。2000年にはコロンビア大学客員研究員も務める。著書に「放送メディアの現代的展開」、編著に「グローバル・メディア革命」、共著に「多チャンネル化と視聴行動」「ふれあいのネットワーク」など。

◆コーディネーター プロフィール
(肩書は当時)
後藤 和彦(ごとう かずひこ) 
常磐大学 名誉教授
1929年生まれ。53年東京大学文学部英文科卒、同年NHK入局。制作現場を経て、放送文化調査研究所研究部長など歴任。83年に常磐大学教授に就任、現在は同大学名誉教授。著書に「放送編成・制作論」「イメージをイメージする」「ファッショナブルな風景」「ニューメディア事典」「心情報論」「現代メディア論」、訳書にH.W.マクマハン「広告の力学」、D・ブーアスティン「幻影の時代」、M・マクルーハン「人間拡張の原理」など。